5月26日(月)12:00~12:54

FMクマガヤ 梅林堂提供 やわらか熊谷 僕らがつなぐ物語


「梅林堂」と題して、この番組を提供してくださっている(株)梅林堂6代目代表取締役社長 栗原良太さんをゲストにお迎えします。梅林堂のこと、梅林堂にまつわること、熊谷のこと本石のこといろいろ伺います。どうぞお楽しみに!

梅林堂社長が登場、第34回「梅林堂」

⏰月曜日 2025.05.26 12:00 · 53mins

文字起こし

Navi 時刻は12時を回りました。AZ熊谷6階FMクマガヤYZコンサルティングスタジオから生放送でお送りします。月曜のお昼は 梅林堂 提供 やわらか熊谷僕らがつなぐ物語。今日の第34回タイトルは「梅林堂」というタイトルです。この番組を提供してくださった梅林堂の6代目取締役社長 栗原良太さんに来ていただきました。こんにちは。

栗原 はいこんにちは。お世話になります。

Navi 本当にもうこの番組は梅林堂のおかげで、34回まで続いていてですね、いつかは社長さんに来ていただこうと思っていてですね。今日は本当に楽しみにしていました。今日は存分にいろいろお話をしていただけたらと思っています。

栗原 今日は関根さんにお誘いを受けて、「どうしようかな」と思ったけど、きちゃいました。

Navi どうしようかなと思わないでください。

栗原 関根さんは先生、校長先生になってね、うちの子供を担任していただいて、その先生にお世話になってるんですが、この地域の中で、本来なら教職の流れの中でその後、要職に就かれてもいいんじゃないかと思いましたが、それをかなぐり捨てて番組で地域のことをいろいろ取り上げて、地域のためにご尽力されている姿については敬意を表するわけでございます。素晴らしいなと思います。

Navi 本当に恐縮します。

栗原 まだまだ人生100年時代ですから、まだ60ぐらいでしょ。

Navi はい。

栗原 あと40年できるんだから。

Navi はい。

栗原 頑張ってください。

Navi そう思います。ありがたいお言葉をいただいて、栗原社長には石原小教員時代はPTA会長さんをやっていただきました。

栗原 そうだね

Navi その後、校長時代は、150周年の時には、学校に来ていただいて、教室を回っていただきました。子供たちは「社長!」って言って喜んでいました。梅林堂の150周年の記念「やわらか」で150周年お祝いしていただいたんですよね。本当にありがとうございました。

栗原 あの時は小学生の皆さんに「何か一言」っていう時に、「自分が卒業した学校が好きである。好きになる。今は小学校のこと好きなんだろうけども、卒業してからもずっと好きでいてちょうだいね」っていうような話をしたような気がするね。

Navi そうでした。社長も石原小学校出身ということですよね。

栗原 そうそう、代々というか、12歳で卒業したから58年

Navi はい

栗原 だから入学したのは6歳。はい。64年前。

Navi 校舎は木造校舎の頃ですよね。

栗原 そうです。素敵な校舎でね。焼失してちょっと残念でしたね。でもあれがそのまま今も残ってるっていうのはちょっと現実にはあり得ないことですけどね。

Navi そうですけどもね。

栗原 時代の変化だよね。

Navi というわけで、今日は「梅林堂」というテーマなので栗原さんが今まで歩んできた道を、教えていただければと思います。この間,梅林堂にお邪魔して、いろいろお話している中で、印象に残ったのは、「人生の選択肢は梅林堂以外なかったんだよ」っていうのがすごく印象に残っています。

栗原 そうですね。親にうまく洗脳されたというか

Navi そうですか?

栗原 私の子供、7代目も今一生懸命仕事をさせていただいて、とにかく美味しいお菓子を作ってお客さんに喜んでもらおうということで、日々今日も何かいろいろ仕事して一生懸命やってみたいなんです。やっぱり代々一生懸命「美味しいお菓子を作ろう」という意識、お菓子に対する執着心というかがあって、こういうものは、昔の人は背中で語るんだよね。正面で語ってくれりゃいいんだけど、背中で語るんだよ。

Navi なるほど

栗原 それはずるいね。それでやっぱり引っかかっちゃうんだよ。こういう言い方をしていいのかどうかわかりませんが、そういうものなんでしょうね。その中で商売を営んでいくノウハウとか、何となくその次の世代っていうのは、見よう見まねで学んでいく。そういうことになってるんじゃないかと思うんだけどね。ただ、やってみて私もう、今年で古希です。「古来、稀なり 今 普通」(笑)

Navi おめでとうございます。

栗原 もうそろそろ、6代目の役割は何とか終えさせてもらったのかなというふうに思います。振り返って考えてみると、やはりあの背中を見て、親の背中、祖父のおじいちゃんの背中を見て、育ってきて、その背中に書いてある背中が語っているものが、今の時代で言えば、会社のあるいはその店のビジネスモデルとしては、やはり正論なんだと思います。それはそのお店の、その会社の王道なんだという概念がかなり強くて、以前あったお店のあり方、以前あったお菓子のクオリティをより良くしていくことが、使命だというふうな、こういう考え方が強すぎたかなという感じはしないでもないんですね。だから今までやってきた商売の路線をそのまま引き継ぐということじゃなく、時代はどんどん変わっていくし、材料だとか機械だとか人の働き方だとか考えていかないといけない。もう私なんかが大学を卒業したときは週休1日だからね。

Navi そうですよね。

栗原 だから働くんだよね。そのうち土曜日が半ドンになり

Navi 私は半ドンからのスタートです。すいません。

栗原 半分になって、それで土日休みが週2日ね。当社も今、週休2日でやって年休何日とかってやっているけど、そもそも7分の1は生産性を向上させないと、働く時間が1日減っちゃったね。こういう変化が、どんどん時代ともに動いていくので、それに対応するってことになるとさ、「今までやったやり方でいいのか」みたいな話になると、必ずしもそうはいかないというのが、企業経営として必要なことなんだろうな。それを「どこまで、変えられたか」っていう視点でいうと、自分はやっぱり「おじいちゃんとか親父、親に喜んでもらう、頑張ってるねって喜んでもらう」という一心でやってきたからね。ビジネス的にはどうだったのかというのはちょっと反省したりするけど、

Navi そうですか。私、一般市民というか元熊谷市民としてはですね、もう梅林堂イコール熊谷です。私が太田市に住んでるんですけど、群馬県の人とやり合うときに熊谷を代表するお菓子のメーカーで梅林堂のお菓子をついつい宣伝しちゃうんですよ。

栗原 ありがとうございます。

Navi 熊谷のお菓子って言ったら梅林堂のお菓子で、何かあるときには梅林堂の巾着に入れてプレゼントする。もうこれはもう、王道だと思っていました。

栗原 ありがとうございます。

Navi ブランドとしては、子供のときからうちわ祭りと同じくらい体に入ってます。

栗原 「お宅のお菓子を昔こういうの食べたね」「ケーキを買うときには梅林堂で買ってんだよ」とか、お客さんに言われると本当にありがたいことですし、嬉しいことですね。だから、「伝統的に美味しいお菓子を作る」ということをうちの親なんかも、口酸っぱく言ってましたね。会社では、私が30ぐらいのときからだから、40年ぐらい前から、基本的には毎週月曜日に商品開発会議ってのがあるんです。

Navi 今日は大事な日じゃないんですか。大丈夫ですか

栗原 私はその会議にもうでてないので、大丈夫です。大体そこには、和菓子の試作、洋菓子の試作、それぞれに大体3品から5品ぐらい。例えば一品の試作の中に、例えばお砂糖の分量が5g多い、5g少ない10g多い 10g少ないみたいなことをやるわけです。あるいは火の強さをちょっと強火 ちょっと弱火とか、それを順列組み合わせでやっていると、目の前に10種類は20種類のお菓子が並んじゃうわけね。これは甘さちょっと抑えて、これは火加減を強くしてっていうことで、それが甘さをちょっと抑えた火加減が強く、甘さをちょっと抑えた火加減が弱いやつみたいなとなるわけ

Navi 研究みたいな感じ

栗原 そうなんですよ。もちろん、それを一つずつ食べるんですよ。お腹いっぱいになっちゃって。

Navi そうですよね

栗原 たくさん食べて、微妙な違いの中に本来お菓子が持っている味というものをどう見出すか。またその梅林堂の味というのを、どの位置にするのかみたいなところは、一品で何種類も出てくるから、3品出るとそれの3倍です。あんこでも火加減だとか、あるいは一つの釜にあんの量を入れる、その分量を変えてね、火通りが違うからとか、こういうのを、40年やったから、1回で何十種類っていうことんなるんで、それを1年だったら52週間だから、年間約50から10年で500回、40年で2000回、それでそれ何十種類のお菓子、考えるとすごいね

Navi すごいですね。今、風景が浮かびました、たくさんの試作品、かかわっているいろいろな人がいるのを想像しています。

栗原 ときと場合によっては、材料屋から、包装資材、いろいろな業者も呼んで。例えば、材料をもう少しも柔らかく硬くそんな単純な話じゃないんですけど、いろいろ作り方について調整できないかとか、粉だっていわゆるそのお米の粉、もち米の粉みたいなところの粒子の細かさとかね。水分量とかね、いろいろ調整をして、、、好きだね。

Navi すごいですね。

栗原 もう徹底的にやってました。それでも美味しいのはできない。

Navi そうですか?

栗原 なかなかできない。もっとセンスが良くてね。そういうものに対してクリエイティブな尖った感覚を持っている職人さんなのか何か、パティシエとかみたくね。天性のものがあれば、もっといいものがたくさんできるんでしょうが、もう我々はそういう才能がないから努力でしかないよね。こつこつこつこつ机の上どころか部屋中いっぱいになっちゃうんで、食べたい人はそのとき来るといっぱい食べられてね。

Navi でもその話は、お菓子を買う側にとっては見えてないお話ですね。個人のお店はちょっとやって、また止めたりとかできるけど、1回作ったらロットじゃないですけど、いっぱい作ったり、長く作ったりとか量が多いじゃないですか。規模は多分全然違うんじゃないですか?

栗原 私は、若いときにね、北海道に六花亭さんっていうお菓子屋さん、創業者は小田豊四郎さんっていうんすけど、先代は小田豊さんていって、私の大学の先輩でもあったし、いろいろ好意にさせていただいて勉強させていただきました。お菓子作りに対する考え方とか、多くのことを学ばせてもらったんですが、その中の一つに、ある一つのお菓子、これは名前は伏せておきますが、「六花亭さんにしてはこのお菓子はあんまり美味しくないな」と思って。いろいろやっぱり新しいものを作るというのは、難しいんだなと思っていました。パイのお菓子だったんですよ、ラズベリーのジャムを挟み込んで、マドレーヌふうな生地を重ねていくその味のバランスが、酸味と甘みとバターの風味っていうのがちょっとマッチマッチングがいまいちだったな。でも待っておおむね1年ぐらい後にも、もう1回食べてみようと思ってお菓子を食べて、とてつもなく美味しくなってるんですよ。えーと思って。中で使ってあるパイ生地とジャムね。それからこの構成は一緒なんですよ。全く同じ構成なんですけど、それでもそのバランスというものがきちっと出来上がって完成して美味しくなってたんだ。これ見たときにね。素晴らしいと思ったね。私が二十幾つのときだったね。「ああこうやってお菓子を作っていくんだ」っていうのを学んだことがありますね。だから同じ材料だとそのバランスっていうかね、例えば、どら焼き、皮の厚さとあんこのルールだよねなるほど硬さとあんこの固さ、そういったものを微妙に調整して、それで全体のバランスを整えたときに香りが出るんだよ。

Navi なるほど。いろんなお菓子をとっかえひっかえじゃなくて、一つのものを追求していくという結果がそのバランスを作るのですね。

栗原 宣伝になっちゃうけど、塩豆大福。これはすごくやりましたね。もう餅を何回つきまくったか。今でもやってますけどね。お菓子には完成がないから。もういつまでも何回も何回もやって。もう変な話、エアーをどうやって餅の中に抱き込むか、ペタンコして、返す時にエアーがはいるわけですよ。餅の中にエアーが入るとふわっとしてくるわけ。コシがありながらふわっとする。このつき方をどうすれば実現できるだろうなってのは、年単位、3年ぐらいかけて同じこと何回も何回もやって、その硬さとあんこの味。これがマッチングしたときに香りが出る。大福の香りが出る。小豆の香りもでる。あんこはあんこで同じ、モチはモチで同じでも、ただ合わせただけじゃなくてそのバランスを整えたときに香りが出てくるんですよ

Navi 今日帰りに塩豆大福ちょっと食べたくなりそうです

栗原 私はね、社員に「この味のこの香りは俺は紫色を連想するんよ」って言ったんです。

Navi 色ですか。

栗原 色が浮かぶ。変だよね。この香りが、だからこの色合いに見えるから、もうちょっと何か赤くなったり。なんかもうちょっと茶色くなったり、色で言うとね。それがやっぱり素直にその素材を持ってる香りが出てなくて、何か雑念があるじゃないけど、雑味が出ちゃったりするんだよね。

Navi でもそれを1個作るだけじゃないじゃないですか

栗原 毎日1万個とか 多いときはどのぐらいは作ってるのかな。その中で実現しなくちゃいけないから結構大変かもね。

Navi 大量に作るものを研究して、そしてその色ですかね、びっくりしました

栗原 味を色でイメージする。そういうのが癖になっちゃったんだね。

Navi ちょっと奥が深すぎてですね。

栗原 楽しいんですよ。

Navi そうですか。楽しい?やっぱりそこも大事ですよ。お菓子はは本当に人を幸せにするっていうんですけど、楽しさってすごいですね。

栗原 僕はどんなものでも、深堀りしたら何か人が感動してもらえるような何かってものが必ずどこにでもあるはずで、生きていく中で、うちでは「美味しかったね」って言ってもらえるこの一言が、至上の喜びだよね。そういう生き方っていうも必ずどんな生き方の中にもあるはずだと思うので、苦労すればするほど、その喜びは大きくなるからね

Navi そうですね

栗原 苦労した?いやいや大したことではないんだけど、そういう勉強をしっかりやったらね、合格したら嬉しいじゃない。

Navi そうですね。今までの話はほんの一部分だったと思うんですけど、伝えていただいて、塩豆大福をちょっと色が浮かぶように食べてみたいなって思いました。

栗原 よろしくお願いします。ありがとうございます

Navi どうもありがとうございます。ここで曲に行きたいと思います井上陽水「ワインレッドの心」ということで、お願いします。

【曲 井上陽水 ワインレッドの心】

時刻は12時28分を回りました。AZ熊谷6階FMクマガヤYZコンサルティングスタジオから生放送でお送りしております。梅林堂提供 やわらか熊谷僕らがつなぐ物語 第34回今日は「梅林堂」というテーマで、梅林堂の取締役社長の栗原良太さんに来ていただいております。さてここでお便りが来ておりますので紹介します。ラジオネーム石原っ子応援団、元団長が団長さんにさんから来ています「関根さん、こんにちは栗原社長さんご無沙汰しています。石原小学校150周年のときは大変お世話になりました。埼玉のおみやげグランプリおめでとうございます。今や、石原小学校ではやわらかを知らない子はいません。これからも美味しいお菓子を作ってください。またお祭りのときにお会いできることを楽しみにしています」ということで、いただきました。

栗原 ありがとうございます。

Navi 改めて埼玉のお土産グランプリ1位めでとうございます

栗原 もうありがたいことですね。埼玉の多くのお客様にたくさんやわらかご利用いただいてね。やわらかを知ってる

人がだいぶ増えたかな。

Navi グランプリのことを知って投票っていうのがあると知ってどうしても自分も投票したかったです。この番組でもよびかけて結果はどうなのかなって思ったら、1位になったと知ってうれしかったです。

栗原 いまやわらかは、1年で1,000万個ぐらい売れてるんだよ。だから全国的にもとても有名になりましたね。

Navi 私の県外の友達がラジオ聞いてくれて やわらかを買いたいと言って、買って誰に贈ったかっていうと、娘さんがお世話になった先生に感謝の意味をこめてプレゼントしたそうです。本当に気持ちを伝えるっていうときに使ったんだよっていう話を聞いて埼玉で1位のお菓子だよ。言いました。埼玉で1位が梅林堂というと、私は熊谷が1位になったような気持ちになって、

栗原 ありがとうございます

Navi 熊谷が1位っていうのが最高ですよ。

栗原 やわらかは、基本的には、埼玉の多くのお客様にご利用いただけるようなお菓子になるといいなと思って、開発して15年ぐらいになるかな。その中には、ちょっとさっき言ったように、まず「お母さんと子供の温かい心」「親の愛情子の慕情」と、「子供は親を慕う」というふうな、こういうふうな親子の関係、この家族というもの、ここにある愛情というものをベースにね「埼玉が一つになっていけばいいな」と思っています。みんながそうやって笑顔で「やっこくいこうよ」って。埼玉ってね、やっぱり中山道があって川越街道があって日光街道があって、ちょっと他の地域とは違う。他の地域はやっぱり県庁所在地があってあるいは、その城下町を中心にその県が成り立つようなところがあるんですが、埼玉はちょっと結構いろいろありましたが、でも「埼玉を一つにしていきたい」とこんな思いを込めてやわらかを作ってみたんだけど。そういう意味では嬉しいことですね

Navi 「やわらか」は埼玉で一番1位のお菓子ってことは、「やわらかは埼玉のお菓子」って言っちゃってもいいんじゃないんですかね

栗原 ありがとう。ぜひそうしていただけるとありがたいですね。あいだみつお先生ご存知ですか。

Navi はい。

栗原 「柔らかい心」っていう紙があるのね。「ぶつかると壊れるでしょう」瀬戸物同士、ガチャンとぶつかるとこわれでしょう。やわらかければ、お互いにお互いを尊重してね、出っぱり引っ込み仲良くできるじゃないかみたいなということが書いてあるあいだみつおさんの詩もあるよね。

Navi 名前はもうとにかくこの番組もやわらか熊谷っていうところがあるんですけど、人によってこの取り方があるんですけど、悪くとる人っていうのはないですよ「やわらか」は、柔らかいっていうことに対して良いイメージがいっぱい含まれてますよね。うん先ほど言った仲良くっていうのもあるし、わかりやすさ、仲良く相談しわかりやすく伝えることも、そして皆さんが平和にくらせることもやわらかですよね。

栗原 笑顔で暮らせるといいね。そんなイメージも大事ですよね

Navi そしてその研究し尽くしたあの味になって、あの食感もそうですかね、

栗原 お菓子はね。元々ね、ほとんどのものがやはり庶民の皆さん、あるいはお公家さんは武家社会、その中で人々が笑顔で幸せに生きられますように、例えば柏餅は子供の健やかな成長を祈ってね、柏の葉っぱって、またそこから葉っぱが出るってことで子孫繁栄を意味するわけですよね。そういう思いを、いろんなお菓子の形にして、何とか食べてもらうとか利用してもらうっていうか、そういうふうに育ってきたものなんで。「おはぎ」ってあるでしょ、おはぎの一番最初のおはぎの前は何なんなんだろうと研究してみたりしてね。諸説ありますよ。もちろんこれは、亥の子餅(いのこもち)なんだよ、亥の子餅はイノシシあるでしょう。イノシシの形をまねたお菓子があるのよ。

Navi そうですか

栗原 これ。なんでイノシシかっていうと、イノシシって多産、子供がいっぱいうむので人の繁栄を願う動物なんです。それがおはぎの形みたいで、もとはイノシシみたいなくちのところがちょっと出てたのよ。でもそれ出すのが面倒くさいから、丸くしちゃおうぜって、それで今のおはぎみたいになった。それはおはぎも、やはりご先祖さんは、いわゆる祀るというか、ご先祖様を敬いながら、我々も、子孫繁栄できるようにということであの願いを込めて、仏様にね、お線香をあげ、今の存在に対して感謝申し上げる。こういうふうなお菓子には、考え方があって、この中でお菓子がどんどん発生していってまだ他にもいっぱい事例があるんですけどね。私 宗教っていうものと、それから神道、宗教っていうのは、基本やはり自然崇拝に働く宗教ってのは、三途の川をどう当たるんだみたいな。もう一つは、自己の生き方、生きざま、こういったものを追求していくというものがありますよね。私が悟り開いたわけじゃないけどまだ邪念でいっぱいだけど、そういうふうなものがやっぱり日本の和菓子という中には、根底にそういう哲学というとちょっと大げさだけど、信条があるわけだ。これは、我々にとって大事なことだし、やはり忘れてはいけない。もう今はもう柏餅のあんまり食べなくなってたし、桜餅なんかも全然もう、これはもうだいぶ時代とともに、ちょっとね大げさに言うと、我々が若いころの10分の1だね。

Navi そうなんですか。

栗原 日本って何なのかなと。いわゆる家族制度が壊れて、親から子へ引き継いでいくもの。心、文化慣習といってもそのうちのなんていうかしきたりいろいろある。そういう文化が伝わらなくなってきちゃう社会的構造の中で、本来我々日本人のその心の中に流れている神道の思想なり、仏教の思想なりっていうものをどう捉えていくかっていうのは日本だけじゃなくて、世界的にも、私はとても大事なもので、もう一度それは我々は噛み締めた方がいいんじゃないかなとは思ってはいるんですよ。もう世の中が、損得なんだよ。価値基準が損か得かっていうんで、「消費税は反対!安い方がいい」それは金払わないほうがいいってことなんだけど、そうじゃなくて、善悪だよ。社会にとって、善悪というものの価値基準で物事を考えられる。そういう世の中になった方がいいんじゃないかなと思う。その起点は、やはり神道とか仏教の思想、あるいは禅の思想の中に「利他の心」そして自分の人生とは何か、何のために生まれてきたんだ。こういったことについて自分なりの答えを持って生きていく。「思いやりの心」なんかもそういったものから生まれてくるはずなんだよね。今のトランプ関税なんか「煩悩の塊」だよね、金が儲かる方がいいだけなの?

Navi この番組も熊谷の良さとか、お菓子の中にも文化とかいろんなものが詰まっていて、それを食べることによって、「何でこれ食べるんだ」っていう話ができたり、歴史のことも振り返れたりすることができるけど、そのまま伝えないと、切れちゃうから、改めて今日も社長さんに聞いて、私もまだ伝えられることがあったら学校と繋がって、そういうもの伝えていきたいと思ってはいるんですけど、改めてお菓子の中にある文化を知って、社長さんがこれからのことも考えてらっしゃるんだなっていうのを強く感じたんです。

栗原 もう1個つけ加えちゃうと、いつも会社で、社員によく言ったことは、今もこれから、とにかくもう大したことできないかもしれない。私も社会の役に立つということを目標として掲げているが、そんな大それたことができなくても、たった1人の人でいいから、「あなたがいてよかったね」って言ってくれる人になろうよと。それは家族であり友達であり、道であった1人の人かもしれない。でも「あなたがいてくれてよかったありがとう」って言ってもらえる人になりたいよね。努力して努力して努力してやったその恩が世の中なんて自分に返ってくると思ったら大間違い。でも必ずどこかに返るから、必ずどこかに返るから、それでいいじゃないそれを信じて。地域の人のため人に喜んで1日1日生きていこうよと、美味しいお菓子を作ろうよってずっと言ってきた。自分がどれだけできてるかっていうとね、やばいんだけど、私は一生懸命そこを目指して1人の人間として生きたいなとは思ってます。

Navi 社長さんのお考えは、埼玉で1位のお菓子を作った会社ですから、いろんな方にさっきのことが伝わって、広がっていると思います。今のお話聞いて思っていました。「利他の心」っていう言葉が出たんですけども、「利己的」の反対が利他ですよね。人のために何かしていくという、今日いろいろ聞いて私も改めてお菓子を食べたくなったし、いろんなことを考えられる日になりました。ここで曲に行ってみたいと思います。こちらも社長さんからのリクエストで竹内まりやの人生の扉をお届けします。

【曲 竹内まりや 人生の扉】

Navi 時刻は12時46分を回りました。87.6MHzFMクマガヤ梅林堂提供柔らか熊谷僕らが繋ぐ物語第34回梅林堂お届けしています。さて栗原社長からいろんなお話をもっと聞きたいですけれども、これからのお菓子とかこれからの熊谷についてちょっとお伺いしたいなと思っています。

栗原 お菓子というか、熊谷のことなんでしょう。

Navi そうですね。

栗原 今ちょうどね、三枝匡さんっていう「V字回復の経営」と言う本、この本を今読んでました。前にも読んだんですが、忘れちゃったからもう1回読もうと思って、そこにはあった「ゆでガエル」の話だ。ゆでガエルっていうのは、お湯の中にカエルね、そういうぬるいところからんだんだん熱くなるとその温度感じないんだよ。そのうちにもう限界に達してポロポロっとなる。俺たち熊谷という非常に恵まれた地域で暮らしているけど、もしかしたら俺たちが、ゆでガエルなんじゃないの?何かに気がついてないのかもしれない。もしそのことに気が付けたら、熊谷ってすごいんじゃないのと、その何かっていうものの1個1個がいろんなあると思うんですけどね。ぜひそこに気がついてね。チャレンジしたいやね。失敗を恐れず。

Navi いいですね。

栗原 これも宣伝みたいだけど、マンゴーを直輸入をしてお店で販売することをやってみたんです。1ロットで今年は1.2トンぐらい輸入したんです。お客様からご要望いただいて美味しかっていわれて。そういうのをご用命いただいたんですが。やってみてね。もし売れなかったら社員にね「社長はまた失敗したね。」っていわれそうで。

Navi そうですか

栗原 そんなこと言ってて、もしこれで「やらない」という選択したらすごく後悔するなって思って自分でそうやると思っていながら、結局失敗が怖くてはいやらなかったっていったら「お前なんだよ」って、もういい年なのに「もうやるぞ」ってやってみた。良かったね。

Navi そうですか。

栗原 喜んでいただいた。

Navi やるかやらないか迷ったら「やる」ですね。

栗原 うん「やる。」だね。そしたらまた次のステップが見えんたんだよね、座ってて、いろんなことを見てこうだ言ってんだけど、一歩前に出たら、また見えるのが違うんだよね。関根さんの後ろになんか金塊とか置いてあって見える?

Navi そうですよね

栗原 美味しいものを置いたら見えちゃうわけじゃないんですよ。一歩前に前に動いて、失敗してつまずいて、一歩後ろに動いても必ず見えるものが違ってくるわけよ。

Navi 失敗しても見えるものは違う。やらなかったら失敗もないってことですね。

栗原 自分を見て同じように判断して、動けば動いたなりのものがあるからというふうにはつくづく思いますよね。熊谷も行きましょうよ、

Navi 行きましょうよ いや行きたいです

栗原 私これからまだまだね、元気でいられれば、ぜひ熊谷のために、なんか働きたい。

Navi 素晴らしいです。

栗原 ばんばん働きたいなと

Navi そうですか。いやまだまだもう全然いけると思います。天下の梅林堂ですから

栗原 いや、もう割とはお客さんがあっての梅林堂ですから、お客様のために一生懸命ね。はい。私なんか個人的には、残された人生というものを、梅林堂も熊谷の方々に、もう160何年お世話になったので、少しでも熊谷のために何かお役に立つように動けたら幸せだなと思ってますけど。

Navi 私はこの番組を支えていただいてるだけでも本当に感謝しています。梅林堂がますます栄えて、そして熊谷市が進んで行くのが楽しみなんですよね

栗原 熊谷市が頑張ればね、深谷さんも、行田さんもね、東松山さんも、みんな頑張ればいい。

Navi そうですよね。

栗原 どんどんみんな街が良くなるから、お互いに幸せになるんで。

Navi そうですよね。

栗原 いい意味で競争しましょうよ。

Navi いいですね。もう本当に素晴らしい。応援もしていただいたような気がします。これからもぜひ、何かやれたらいいですよね。今日は、本当はもうちょっとお話聞きたいのですが、もう時間になってしまいまして、第34回「梅林堂」ということで梅林堂の社長の栗原良太さんに来ていただきました。今日ありがとうございました。また来てください。

栗原 はい、ありがとうございました。

Navi ありがとうございました。

AI要約

要約

梅林堂の栗原良太社長が番組に登場し、お菓子作りと企業経営について深い洞察を共有しました。

栗原社長は、毎週月曜日に行われる商品開発会議について説明し、40年以上にわたり、一つの商品に対して複数の試作品を作り、味や食感を徹底的に追求してきたことを語りました。

和菓子の伝統と文化的価値についても言及し、柏餅や桜餅などの和菓子には、子孫繁栄や家族の幸せを願う日本の文化が込められていることを説明しました。

また、埼玉のお土産グランプリで1位を獲得した「やわらか」について、年間1000万個以上売れる人気商品となっていることを明かしました。

最後に、熊谷の発展について、失敗を恐れずチャレンジすることの重要性を強調し、地域の活性化に向けて積極的に取り組む姿勢を示しました。

チャプター

梅林堂の商品開発プロセス

栗原社長は毎週月曜日の商品開発会議で、和菓子・洋菓子それぞれ3-5品の試作を行い、砂糖の量や火加減など様々な条件で実験を重ねていることを説明。40年間で約2000回以上の開発会議を実施。

和菓子の文化的価値

栗原社長は和菓子に込められた日本の伝統文化について解説。柏餅は子供の健やかな成長と子孫繁栄を、おはぎは先祖への感謝の気持ちを表現する食文化であることを説明。

埼玉お土産グランプリ受賞

「やわらか」が埼玉のお土産グランプリで1位を獲得。年間1000万個以上売れる人気商品となり、埼玉を代表するお菓子として認知されていることを報告。

熊谷の未来展望

栗原社長は熊谷の発展について、現状に満足せず新しいチャレンジを続けることの重要性を強調。失敗を恐れず前に進むことで、新たな可能性が見えてくることを説明。

行動項目

栗原社長は商品開発会議での試作品の品質向上を継続的に実施することを表明

栗原社長は和菓子の伝統文化を次世代に伝えていく取り組みを推進

栗原社長は熊谷の地域活性化に向けて新しいチャレンジを続けることを宣言

栗原社長は地域貢献活動として雷電神社の活性化支援を継続することを表明

summary

この対談では主に、梅林堂の栗原亮太社長と進行役との対話を通じて、和菓子づくりの哲学、企業経営、そして地域貢献について議論されました。栗原社長は、毎週月曜日に行われる商品開発会議での徹底的な品質追求について語り、一つの商品に対して何十種類もの試作品を作り、味や食感を追求する過程を詳しく説明しました。また、和菓子に込められた日本の伝統文化や思想についても言及し、例えば柏餅や大福などの菓子に込められた願いや意味について解説しました。社長は特に「やわらか」というブランド商品が埼玉県のお土産グランプリで1位を獲得したことに触れ、この成功は地域の人々との繋がりの証であると述べました。さらに、企業経営における挑戦の重要性や、失敗を恐れずに新しいことに取り組む姿勢について語り、最近のマンゴー輸入販売の経験を例に挙げました。最後に、熊谷市の発展への思いや、地域社会への貢献についての展望を示し、「たった一人の人でもあなたがいてよかったと言ってくれる人になろう」という経営理念を語りました。

commom Q&A

Q: 梅林堂での商品開発はどのように行われていますか?

A: 毎週月曜日に商品開発会議を行い、和菓子・洋菓子それぞれ3-5品程度の試作品を作り、砂糖の量や火加減など様々な条件で試作を重ねています。

Q: やわらかブランドについてどのような思いがありますか?

A: 親子の温かい心、家族の愛情をベースに、埼玉全体が一つになれるような商品を目指して開発しました。

Q: 企業経営において大切にしていることは何ですか?

A: たった一人の人でもあなたがいてよかったと言ってくれる人になることを目指し、地域の人々のために日々努力することを大切にしています。

Q: 熊谷の将来についてどのようなビジョンをお持ちですか?

A: 熊谷には多くの可能性があり、それに気づいてチャレンジしていくことが重要です。失敗を恐れず、前に進むことで新しい視点が得られると考えています。

action_item

栗原社長は毎週月曜日の商品開発会議の継続実施を表明

栗原社長は和菓子の伝統と文化の継承について、より一層の取り組みを強化する意向を示す

栗原社長は新商品開発における品質向上への継続的な取り組みを約束

栗原社長は地域社会への貢献活動の拡大を表明

栗原社長は従業員教育における倫理観と社会的責任の重要性を強調

栗原社長は熊谷市の発展に向けた新たな取り組みへの意欲を表明

栗原社長はマンゴー輸入販売などの新規事業への挑戦継続を表明