2024年1月13日(月)12:00~12:54

梅林堂提供 やわらか熊谷 僕らがつなぐ物語

ゲスト 石井姉妹 

あなたは知っていますか?五家宝図鑑 『熊谷帖』

⏰月曜日 2025.01.13 11:58 · 56mins

AI要約

要約

この会議では、FM熊谷のラジオ番組「やわらか熊谷 僕らがつなぐ物語」の第15回放送について議論されました。主なテーマは五家宝図鑑 『熊谷帖』で、ゲストとしてえびすいみよこさんと五家宝ファンの唐﨑瑞穂さんが出演しました。番組では、五家宝の歴史、製造過程、各店舗の特徴などが詳しく解説されました。特に注目すべき点として、2012年に発行された『熊谷帖』という冊子の制作背景や、14軒の五家宝店の詳細データ、食べ比べ調査の結果などが紹介されました。番組では、五家宝の材料として使用された石原米の重要性や、各店舗の味の違いについても言及され、リスナーからの質問にも答えられました。

チャプター

五家宝図鑑 『熊谷帖』の紹介

番組の冒頭で、梅林堂からの提供であることが紹介され、今回のテーマである五家宝図鑑 『熊谷帖』について説明されました。

『熊谷帖』の制作背景

唐﨑瑞穂さんが、震災後の2012年に故郷について考え直す動きの中で五家宝に着目し、『熊谷帖』を制作することになった経緯が説明されました。

五家宝の歴史と起源

五家宝の起源について、利根川を挟んだ五箇村説や、吉原殿中からの伝来説など、複数の説が紹介されました。

製造過程と材料

五家宝の製造過程について、もち米の粉砕から水飴との混合、成形までの詳細な工程が説明され、特に石原米の重要性が強調されました。

各店舗の特徴と食べ比べ

14軒の五家宝店の詳細データや、食べ比べ調査の結果、各店舗の味の違いについて詳しく解説されました。

行動項目

唐﨑瑞穂さんが提案した『熊谷帖』のウェブ版をNoteで公開する計画

唐﨑瑞穂さんのブログで紙媒体の『熊谷帖』を引き続き販売(1冊800円、送料別)

熊谷市が行っている五家宝の作り方を学校で教える出張授業の継続を希望

五家宝を販売する各店舗の詳細データを更新・管理

文字起こし

Navi 時刻は12時を回りました。AZ熊谷6階FMクマガヤYZコンサルティングスタジオから生放送でお送りします。月曜の昼は梅林堂提供「やわらか熊谷 僕らがつなぐ物語」今日は第15回「あなたは知っていますか?五家宝図鑑『熊谷帖』」というタイトルです。本日は満を持しての企画で五家宝のお話です。今日のゲストは石井姉妹のお2人です。こんにちは。

石井姉妹 こんにちは

Navi まずお姉さんから行きましょうか。

みよこ 姉のえびすいみよこです。よろしくお願いします。

Navi そして今日メインで、独壇場になると思いますが、妹さん?

瑞穂 はい、妹の唐﨑瑞穂です。今日はよろしくお願いします

Navi 今日2人は、五家宝Tシャツでこちらに来ていただきました。そして私の胸にあるこれ何でしたっけ。

瑞穂 去年八木橋の「階段ギャラリー」というところで、「階段」とおばけの「怪談」をかけまして、五家宝や熊谷の地元に根ざしたものをおばけにしちゃって(笑)熊谷染で染めたぬいぐるみ=染めぐるみ、と名付けたものを展示しました。そのときに作った一番小さい五家宝おばけの染めぐるみを今、関根先生の胸元に忍ばせました。

Navi ありがとうございます。本当かわいい、触り心地もいいし、癒される顔が描いてあります。

そしてもう、お便りいただいています。ラジオネームブラコロさんから、ありがとうございます。「石井姉妹のお二人、そして関根さんこんにちは。『熊谷帖』のことを知ったのは、昨年、「秋山ロケの地図」の書き込み会場で唐﨑さんとお会いしたことがきっかけでした。とてもディープな五家宝の考察が書かれていて、私も市内の様々な五家宝を食べ比べてみたいと思いました。今日は、『熊谷帖』の裏話も聞けると思いますので楽しみにしております。」ありがとうございます。

瑞穂 聞いてる方は多分お手元に1冊は『熊谷帖』があると信じて。

Navi いやいや、これ知らない人のためにやろうと思っている番組です。

瑞穂 今回、多分遠いところだと鹿児島、静岡あたりからも、もしかしたら聞いてくれてると思います。

Navi そうですか、『熊谷帖』、初めて聞くとわかんないですよね。ですから、やさしくゆっくりやわらかくスタートします。伝えていきます。『熊谷帖』という冊子があるんです。表には五家宝のイラストが書いてあってこのイラストも唐﨑さん。

瑞穂 はい。私が描きました。

Navi 「『熊谷帖』とは何か」というところからスタートしたいんです。2012年5月8日発行ですね。一番簡単に言うと五家宝図鑑です。私が名付けちゃったんですが、熊谷の五家宝のことについて分析してあって非常に詳しいことが書いてある冊子です。

瑞穂 そうですね。

Navi 何でこれをつくったのですか。

瑞穂 そもそも『熊谷帖』って「熊谷」っていう言葉を入れたわけですけれども、2012年っていうと、今から干支が一回りくらいしてますが、大震災があった次の年なんですね。あの津波の映像とか、かなり衝撃的でした。その頃、自分の故郷がなくなってしまう人が少なからず存在したわけで、故郷についてもう一度考えよう、という動きがクリエイターの仲間の中でも起こっていたんです。それが「マチオモイ帖」っていうイベントで、自分の地元とか、親しくしている町のことについて深く掘り下げて「冊子」や「映像」にした作品が展示されていました。作品制作することで、ふるさとや街のことを考え直そうっていう企画展でした。

私は最初出展していなかったんですけれども、これを見たときに私も『熊谷帖』を作りたいって思いました。『熊谷帖』を作るんだったら、第一号、最初のテーマは何だろうと思って。

五家宝にしたのもいろいろ訳がありまして。まず私は武蔵野美術大学というところに通っていたんですが、卒業してから埼玉支部の作品展というのがありまして、確か2年に一度、浦和の県立近代美術館で展示やるんですが、やらない年に県内のいろんな町で展覧会をするんです。それで「来年は熊谷でやるから、お前動け」と言われて先輩方の会議に出たんですね。そこで「去年は行田だったから足袋とか蔵とか、いろいろあったけど熊谷は何もないからな」って先輩に言われたんです。

それでカチンときて、「そんなことないぞ」と。熊谷だっていろいろ面白いところはあるし、ただ「うまく伝わってないんだな」っていうことを感じたので、私も一応デザイン科を出て、デザインの仕事をしてる端くれなので、「これはもしかしたら面白く伝えるきっかけになるかもしれない。」そう思ったんです。

それで自分は「『熊谷帖』を作るぞ」「五家宝にするぞ」となったときに、私、五家宝のことをどのくらい知ってるかって言ったら、実は全然知らなかったんですよ。調べるところから始まって、まとまってる資料とかがなかったので、熊谷市内のお菓子屋さんっていうところに全部、その当時電話帳で調べて、電話帳で片っ端から熊谷市内のお菓子屋さんに、全部電話をかけて「五家宝を扱ってるか」「扱っているんだったら作っているのか」「卸しているのか」とか、そういう調査するところから始まったんです。

Navi なんか今の話は、もう完全に石井姉妹のスタンスですね。

みよこ とことん調べる!しらみつぶしにね。

瑞穂 そうですね。悉皆調査です。

Navi 悉皆調査ですか?そこが原点ですね。

瑞穂 そうなんです。一生懸命調べていろいろと落としてるところもあるとは思うんですが、それでも調べていくうちに、五家宝って結構面白い、こんなにあったんだ、っていうのがわかってきて。これはとにかく面白く楽しく伝えられることになりそうだなということで、A5版の大きさで20ページフルカラーで、作ることになりました。写真もイラストもたくさん入っていて、特に表紙のイラストは五家宝なんですよ。水彩で、その当時あった14軒の細巻き五家宝を全部描いたんです。熊谷の文化センターの展示室に飾りましたら、気に入ってくださった方がいて、五家宝屋さんなんですが「いや、五家宝の絵なんてこの先、絶対出ないから僕買います」って言ってくださって。まさか売れると思ってないから値段どうしようみたいな感じで(笑)今、市内の五家宝屋さんに飾ってあります。

Navi それはどちらに?

瑞穂 堀内製菓さんに。

Navi ああ 堀内製菓さんね。

瑞穂 これを作ることで、五家宝屋さんともやり取りが増えたりして、もうとても楽しい13年間、五家宝繋がりで、その方は子育ての先輩だったりもするし、お世話になっております。

Navi この2人はそうなんですよね。徹底的に調べていくの、私すごく憧れます。

瑞穂 私は大学で「フィールドワーク」っていうのを徹底的に叩き込まれました。生活デザイン科ってところだったんですが、その当時から今 和次郎の考現学だったりを学んで。とにかく街に出て、調べよう、と。面白い学校でした。

みよこ そう、瑞穂さんの素敵なところいっぱいあるんですけど、やっぱり一緒に動いてて「わっ」て思うのは、瑞穂の七つ道具ポーチっていうのがあって、そこから何でもぱっと出てくるんですよ。フィールドワーカーとして筋金が入ってるので(笑)。携帯用の水彩絵の具セットとか、小さいメジャーとか、のりとかはさみとか…そういうのが一切合切入っている。何でもぱっと長さ計れるし、ぱっとのりで貼れるし絵も描ける。そういうポーチをこないだね、中身を見せてもらって。だから本当にもう、その日はすごく長い時間、一日かけて2人でお話したんですが、本当にもう瑞穂さんは学生の頃から一貫してるなっていうのが私の印象です。大学入られた頃から街に出てスケッチを始められてて、それは、学ばれていた先生の影響が大きかったって聞いたんですけれど、とにかくもうフィールドワーカーですね。

Navi ありがとうございます。お姉さんに解説してもらったんでね、わかりやすかったですよね。

瑞穂 体質です。

みよこ どこまでも毛細血管の中まで入り込むみたいな。我々の体質というか。

瑞穂 しみじみ。

Navi そういう解説しているお姉さんもかなりそういう毛細血管に入ってますよ。

瑞穂 若松若太夫しかりで、今回はその話は、はしょりますけれども、ただ若松若太夫沼というのに今、私達はまっていまして、はしょってないな。みよこ姉さんのおかげで、かなりはまってます。それはなんか同じ毛細血管に突入していく精神が…

みよこ やっぱり共にはまれるこの気質を共有してるのが本当にありがたいなと。

Navi 石井姉妹は何か会社みたいですよね。

みよこ カンパニーみたいですね。

Navi 何かクリエイティブな感じ、、、そもそも今日五家宝の話じゃないですか。でも大事な話を聞きました。ということで五家宝に話を思いっきり戻します。何か五家宝の歌っていうのはあるみたいなんですけど。瑞穂 今回ラジオに出るにあたって五家宝の関連した歌を流したいなと思いまして、

Navi そんな歌ありません。

瑞穂 あります!これがまたラジオに出るって決まってからじゃなくて、実は堀内製菓さんとか市内の五家宝屋さんに、よく私行くんですけれども、何の気なしに話してたときに、「唐﨑さん、五家宝の歌聞いたことある?」なんて言われて「ないない」って言ったら、「すごいかわいい曲なんだよ。子どもたちが見学に来たときかけるんだけど、子どもたちは、ワチャワチャして誰も聞いてない」っていう話をなんか思い出しまして、1曲目は、五家宝屋さんが、大事に持っていて、見学に来た子がいるとかけているという曲を本邦初公開で。

Navi オリジナルソングですね。

瑞穂 そうなんです。タイトルが「ゴゴゴの五家宝」というタイトルで。

Navi オリジナルソング。

瑞穂 はい、作った人がですね、

Navi なんていう名前ですか?

瑞穂 宇野元英さん!

Navi 聞いたことがある名前ですね(笑)

みよこ 今日はきな粉色のフリースを着てきてくださってます。

Navi やっぱり揃えてくれるんですね。歌は誰が歌ってるんですか?

瑞穂 もちろん宇野元英さんです。

Navi 熊谷の有名なミュージシャンです。

みよこ そうです。

瑞穂 みんなこの曲を聞きたいと言ったので。

Navi 私もすごい楽しみです。熊谷のこのラジオをお聞きの皆さん、五家宝の歌をね、ぜひ聞いてください。

では、いきますよ。宇野元英さんで「ゴゴゴの五家宝」お届けします。

【曲 宇野元英 ゴゴゴの五家宝】

Navi 時刻は12時17分を回りました。梅林堂提供 やわらか熊谷僕らがつなぐ物語 「第15回 知っていますか?五家宝図鑑『熊谷帖』」をお届けしています。今日はですね、石井姉妹にきていただきました。

一同 よろしくお願いします。

Navi 今、聞いていただいた曲は「ゴゴゴの五家宝」宇野元英さんでした。名曲ですね、もうファンになりました。これ素晴らしいですね。

瑞穂 いいですよね。掘り起こして参りました。あともう1曲かけたい曲があったんですけど、音源が見つからなくて、ただ曲の存在自体はちゃんと確認した曲がありまして。熊谷高校で以前、音楽の先生をされていた大澤壮吉先生が作った合唱曲があると。しかも五家宝の組曲になってるっていう話もあるんです。私が小学生のころ確か熊谷会館で聞いたときは熊谷高校のお兄ちゃんたちが「ごかぼーーーーっ」て歌ってた覚えがあるんですよ。それ以外にも熊谷高校のお母さんたちの「コールあかいらか」っていうコーラス部があって、そこに行ってた人の話によると、何か「ごかごかごか」みたいな楽しい曲調の五家宝の歌を歌ったことがあると。今回音源が間に合いませんで本当に残念なんですけれども、引き続き探したいなと思いました。

注)その後、この曲は作詞:平井栄、作曲:大澤壮吉による混声合唱組曲「くまがや」であることが判明。熊谷寺、五家宝(2曲目)、星川、荒川堤、マイタウン 花の街 の5つからなる組曲であった。(1988年5月7日さいたま博覧会が初演かもしれない。歌ったのは県北混声合唱団)

Navi 今もし聞いてる方で、情報があったらFMクマガヤまでよろしくお願いします。はいということでですね、歌だけでここまで来ちゃいましたね。ここからはですね、五家宝の歴史とか由来とか五家宝帖を見ながら、

瑞穂 『熊谷帖』です。

Navi すいません、やっちゃいましたね。『熊谷帖』を進めていきたいと思いますけれども、お姉さんこれ見たときどう思いましたか。

みよこ もう、瑞穂の本領が炸裂してるなと思って。ちなみにこの『熊谷帖』の1号が五家宝で、以後続刊の予定もあるようですが。なんていうんでしょうね。瑞穂さんがやっぱり足で一つ一つ歩いて確かめて、集めたデータっていうのが基になってて、資料もよく調べてありますし、所々にマニアックな遊び心もあって。ブログの方に載せてらっしゃる2時間で全部のお店を回った記録とかもデータが分刻みで面白かったんですけど…

瑞穂 そうね、日頃から足で稼ぐ、歩いてみるっていうのがすごく大事だなと。とにかく歩いてまちを見る。イラストマップもそうなんですけど、やっぱり歩くスピードって大事なんですよ。車だと気づかない、自転車でも気づかない、でも歩くと気づく。大学の恩師である鈴木喜一(きいち)先生もよくおっしゃってたんですけど「あるく みる きく」っていうのが大事で、これ民俗学者の宮本常一(つねいち)の言葉なんですが、またまた説経節と繋がっちゃうんですけど、宮本は渋沢敬三という渋沢栄一の孫が主宰する「アチックミューゼアム(屋根裏の博物館)」に招かれ、すごく簡単に言うと地域をね、見ていこうっていう活動されてた方なんです。渋沢栄一は若松若太夫を支援していて、その孫が支援したのが宮本常一です。「あるく みる きく」って本当に大事だなといつも思っています。

Navi いや、今のはねちょっとまた的から外れてますよ。だけど、これが実は私もそう思うんですけどね今、情報化社会で、ね、いろんなことは写真とか画像で目にしたり話を聞いたりするんだけど噂の範疇だったり。情報っていうところを実際に自分で行って確かめてみるっていう、これがねやっぱり何か楽しいというか・

瑞穂 そうですね、実際に訪ねてみる。五家宝屋さんに近づいていくと、きな粉のいい香りがするんですよ。音とかね。そういうのも実際にこれ『熊谷帖』の第1号を見ると、全部網羅していてわかるようにはなってるんですが、ただその音とか匂いとか、そういう肌で感じるものは本だと分からないので、ぜひこれを参考に皆さんも訪ねてほしいなと思ってます。

Navi はい。ラジオ聞いてる方で『熊谷帖』見たことないっていう人がいっぱいいる。だからいずれはこれが皆さんが見られるようになるのが一番大事だと思いますし、ご購入いただくのも大事だと思うんです。この中からちょっとね、今日は見ていきたいなと思っております。はい。さて先ほどの話はですね、2ページ3ページあたりのなぜ五家宝調査をするのかの辺りに行っちゃうんですけれども、もうちょっと今日はですね、「五家宝って何なん」というところを…

瑞穂 皆さん6ページを開いてください。お手元にある方ですね(笑)

Navi 五家宝の生まれた背景とか起源とか、その辺からちょっといけたらいいかなと思っています。五家宝という名前は何でついたかとかね、そういうのはちょっとお姉さん調べて何かわかってることありますか。

みよこ 起源と言われているものがいっぱいあって、瑞穂さんがこの『熊谷帖』に載せてるだけでも、五つぐらい。利根川を挟んだ向こう側の上州五箇村説、あとは天明の大飢饉の頃に熊谷で発生した熊谷説、あと加須市の不動岡説。あと水戸茨城の「吉原殿中」から…

テキスト ボックス: ※大河ドラマ「べらぼう」 吉原の話だが、説経節を起源にもつ芸能の話も出てくる

Navi それが気になるんです。「吉原殿中」。なぜかというと今、()河ドラマが吉原の話してまして、「吉原殿中」っていうお菓子なんですよね。

みよこ あとは茨城県にも五箇村というところがあって、ここのも瑞穂さん食べてらっしゃいましたね。

瑞穂 道の駅「ごか」っていうところがあるんですよ、五箇村の五家宝っていうのを聞いたことがあったので、近くにいる友達に「もしかしてそこで五家宝なんて売ってたりしないよね」なんて聞いたら、「売ってるの見たよ」って言われたので、これは行かないとと思って。そしたら売ってるんですよね。熊谷以外でも五家宝をつくってるんです。

Navi 同じ味なんですか

瑞穂 基本的に同じです。

Navi 熊谷でも昔、「水戸屋」さんっていうところで売ってたじゃないですか

瑞穂 熊谷に古くからいる人は、五家宝といった水戸屋くらいなときがあったんですよ、お姉さんは水戸屋は知らない?

みよこ 私はもうわからないですね

瑞穂 今の「がってん寿司」とか「ニトリ」とかあの辺に水戸屋の五家宝があって、ドライブインとかレストランもやってたんです。水戸屋っていうぐらいなので、水戸から来た方なんです。文化文政年間に水戸の「吉原殿中」ってお菓子を知っている方が熊谷に来て、そこに成田用水の水門があってですね、水野源助さんという、水戸屋の初代の方が成田用水の水役人をしながら吉原殿中を改良して、五家宝を作ったっていうのが四つ目の吉原殿中説ですね。

Navi それと私は「五家宝」って言葉の響きからの「五箇村」説、気になりますね。

瑞穂 五つの村が集まって五箇村となった、というのが割と全国的にあるんだけれども「五箇の棒菓子」で五家宝、またお菓子の長さが1個じゃなくて5個分の長さで五家宝っていう説もあるんです。あと最後ね、下総の国の五箇村っていうのも5個目の説ではあるんですけど、「この説が絶対そうだ」って言われてないところが、また五家宝の魅力なんじゃないかなって思います。

Navi 五箇村でできたのもいいし、私は水戸のお菓子だと思うけど。なんで熊谷でこんなに定着してるんですか?

瑞穂 五家宝年表(P6〜7)にあるのですが、私は1883年に高崎線が開通して駅売土産として評判になったのが一つのきっかけではないかと思っています。戦争を挟んで昭和30年代から熊谷を代表する産業になったと。あと、熊谷の五家宝屋さんの系譜というか、連なりを感じたエピソードがあるんですが、去年の1月に八木橋の階段ギャラリーで個展をしたときに、この『熊谷帖』も同時に大きなパネルにして展示、それから『熊谷帖』の販売も八木橋さんで1ヶ月間させていただいたんですけれども、おかげでいろんな方が見に来て、そしたらですね、何ページかな12ページ13ページですね、「食べ比べデータ」っていうのがあるんですけど、

Navi 聞いている人はわかんないじゃないですか 

瑞穂 えーと、このページはですね、美味しさというより、香りとか硬さとか食感、一応熊谷中の五家宝を食べてみてどんな感じかっていうのをグラフにしたのがあるんです。これみんなで食べた感想を数値化して作ったグラフなんですけど去年の1月に五家宝屋の娘さんが、これを見て「やっぱりね」って言うんですよ。「何がやっぱり?」って聞いたら「やっぱりうちのお父さんと並んで五家宝を作ってた人は形が同じだ」って言うんですよ。

Navi ワーッ

瑞穂 そのとき初めて私、この三角の形を比べて見たんです。そしたら、ここから出てる人はこの形っていうか、結構似てる。

みよこ グラフの三角の形に特色として出てるんですよ。グラフの形が共通してると。

Navi すいません。わからないじゃないですかリスナーの皆さんは三角じゃ…。なんで三角って言ってるかっていうと、いわゆる「レーダーチャート」っていうものなんですけども、三つ軸があって香り、硬さ、食感というのがあってその香りにこういうメーターみたいになっていてそれを結んだ形が三角です。お店によってその三角の形が香りよりによってたり、硬さよりによってたり、あとはまんべんなくバランスが良かったりっていうのを全部分析しているのがこの『熊谷帖』に書いてある食べ比べデータ集計です。そういうのを作っているというのがこの『熊谷帖』です。

さて、さっと行かないとどんどん深く入っちゃうんですね(苦笑)。先ほどね、なぜ五家宝っていうのかっていうところだったんですけれども、いろんな起源があるということで、次は五家宝って何から作ってるのっていう話です。知ってる方はたくさんいると思うんですけど、お姉さん、五家宝は何からできてるんですか。

みよこ はい、五家宝を分解すると、種という部分と皮という部分と周りにまぶしたきな粉になっているんですが、種の部分はもち米と水飴、周りの皮の部分は水あめにきな粉、なので主にお米と大豆です。きな粉の大豆、あと水あめ、これは大麦からできています。とてもシンプル。

瑞穂 そうですね。昔からこの辺で穫れる材料で作られてたと思います。

Navi じゃ自分で作れるんですかね?

瑞穂 いや、作れないと思います。もち米の種が本当まん丸で、すごいかわいいやつなんですが、これはご家庭では作れないから買ってください。

Navi 今度はですね。材料がわかったらどうやって作るんですかね?はいお姉さんお願いします。

みよこ はい、これは多分うちの子の方が詳しいと思いますね。学校でね、五家宝屋さんを見学する機会があって。

Navi 今は学校に五家宝屋さんが来てライブをしてくれるんです。市内の熊谷市内の学校は全部出前授業で来てくれますよ。

瑞穂 ぜひ続けてほしいなと思います。すごくいい授業だと思います。

みよこ そうですね!私もよそ者なので、今、一生懸命テキスト見ながらお話してるんですけど、その種っていうポロポロしたまん丸のものは、お米そのものを膨らませたんじゃなくって、もち米をまず粉にするそうです。細かくして、それを蒸して、まずおもちにするんですね。そこへ煮立った水飴を加えて、さらにつく。それを1ミリぐらいの厚さに伸ばして乾かす。そこからさいの目に切って丸い丸いぽろぽろした状態に…

瑞穂 あの丸いのが本当にかわいいのよね

みよこ そのさいの目に切った細かいおもちを窯で炒ると、ポンポンってまん丸になって「種」の出来上がり。その工程だけで3日から7日はかかるという。で、種を丸くまとめた上に、きな粉と水飴で作った皮をかぶせる。

瑞穂 もうそれ職人さんの感覚なんですよ。うん。熊谷って暑かったり寒かったりするじゃないですか。水あめに混ぜるきな粉の量っていうのは毎日変わるって言ってました。寒ければ寒いなりに暑ければ暑いなりに、こう、さっと作るんですけど、その塩梅がね。本当に職人さんてすごいなと思います。

みよこ 細くコロコロするときっていうのは、まず皮を敷いておくんですか?

瑞穂 そう。皮の中に種を入れてまん丸なボールみたいになって、そこから段々のし板でのしていくと

Navi 細い棒になる

瑞穂 やっぱりライブで見るのは本当いいと思う。楽しいです。

Navi あのコロナの後から全部の学校に来るようになったんですよ。前は見学に行って見せてもらってたんですけど、今は市内の学校には来てると思いますけど。

瑞穂 作りたてを子どもが食べるっていう体験が本当にいいと思う。五家宝って、日持ちがするからお土産に最適みたいなところがあったんです。

みよこ 今日の私のTシャツ、まさに五家宝が…

Navi 今日のTシャツはなんて書いてあるんですか?

みよこ 「日持ちするからと、ほっとかれてる五家宝おばけ」のTシャツを着てきました。

Navi そっか。日持ちするから、ほっとかれちゃう立場なんですよね。それで出来立てを食べたことがある熊谷の人って実は少なかったかもしれない。

瑞穂 五家宝の出前授業とか、五家宝の工場見学に子どもが行くことによって「出来立ての五家宝ってこんなに美味しいんだ」っていうのが子どもから親に伝わる。それで他所から来た人たちも五家宝が好きになる。地元の人も改めて「出来立ての美味しさ」を知るきっかけになる。

Navi なるほどなるほど。話を戻しますとね、そうやって伸ばして最後切って完成ということなんですね、材料にしても、もち米・水あめ・大豆。この辺りで生産されているから作りやすい材料ですね。

瑞穂 そうですね。水戸の方もそうですけど北関東というか、その辺で穫れるものでできている。

Navi この米は石原米ですか。

瑞穂 そうなんです、それがまた嬉しくて。石原米とか、以前のラジオでもご紹介した若松若太夫とか…

みよこ 繋がってきます。

瑞穂 上石原や若松若太夫について調べに上石公民館に行きましたら、そこで水戸屋の五家宝リーフレットを見つけたんです。「この地域は石原米と呼ばれる美味しいお米が特産で」という話が書いてあって、そういう美味しいお米を使って五家宝を作りましたと。そんな情報が残っているのも、それを資料として残してくれた人がいらっしゃるっていうのも、本当にありがたい。

Navi もう水戸屋さん自体が今はないんですけれども、その水戸屋の五家宝が、みんな心の中にあるかもしれない。その中に石原米っていう言葉が入ってました。石原米だって今もう。

瑞穂 どこにあるかなって探してる。そういう感じですよね。そもそも石井姉妹はね、石原米を探して…

みよこ 幻の石原米を探すユニットだったんですよね。

Navi だから本当にこの石原米って言えば ブランド米って言葉、今はよく出るんですけども、まさに元祖ブランド米が石原米です。ということで、曲にそろそろ行きたいと思いますけどもね。はい「米米CLUB」さんですかね。やっと米の話に行きましたね。そういえばね、米米CLUBのボーカルは石井さん!

瑞穂 そうです(笑)

Navi 石井姉妹は何か繋がってしまう、ということで「米米CLUB」で「米米WAR」。

Navi 時刻は12時40分を回りました。梅林堂提供「やわらか熊谷僕らがつなぐ物語」。第15回「知っていますか?五家宝図鑑 『熊谷帖』」をお届けしています。さてもうあっという間に時間が過ぎていくんですけれども、この『熊谷帖』の中身はどんなものがあるのかなっていうところで見ていくと、歴史っていうのがありますよね。

みよこ そうですね、この瑞穂さんの『熊谷帖』の6ページですけども、五家宝年表っていうのがあります。これは大体江戸時代の1700年代から始まってるんです。今でも続いてらっしゃる紅葉屋さん創業が1765年、そのあたりからも記録がね、残ってきていて。その10年ぐらい後に、蜀山人こと大田南畝さんっていう役人さんだったんだけれども、エッセイとか狂歌とかいっぱい残してる面白い文化人が「道中で五家宝ってものを見たよ」って書いていたり。その後、天明の大飢饉の頃に熊谷の五家宝説が登場、

瑞穂 吉田市右衛門さんですね。

みよこ 浅間山が噴火したり、そのあと不動岡五家宝説、続いて水戸屋さんが1800年代の文政年間に創業され、その辺が吉原殿中起源説。江戸の終わりの頃に、今の五家宝の原型を玉井村の高橋忠吾郎さんが作ったという記録がある。

Navi その頃、梅林堂も創業してますよね!

みよこ 江戸末期、老舗でいらっしゃいますね。

瑞穂 元治元年だから1864年創業ですね。

みよこ その頃にたね仁さんも、ご創業。

瑞穂 たね仁っていうだけあって、五家宝の種をメインで作られてたみたい。今は全部作ってらっしゃいますけど。

みよこ 明治に入ってからまもなくその五家宝っていう言葉が、「五穀は家の宝なり」ということで漢字が「五家宝」に統一されていきます。そして熊谷県ができたり高崎線が開通したり…

瑞穂 そうなんです。高崎線開通のときに駅で五家宝売って評判になったらしいんですよ。

みよこ その頃には堀内製菓さんも1887年にご創業。老舗でいらっしゃいますね。

瑞穂 花堤さんは1904年。

みよこ 大正に入った頃にニシダ飴さんご創業。

Navi 実家の近くでした。

瑞穂 ニシダ飴さんに「あめ屋さんだけど五家宝もあるんですね」なんて言ったら材料似てるから、とおっしゃってました(笑)

みよこ 確かにそう。美味しいですよねニシダ飴さん。その後、戦争を挟んで、昭和30年代から40年代にかけて、熊谷を代表する産業として五家宝が定着していく。1962年に埼玉製菓さんも創業されますね。

Navi 私と同じくらい古いですね(笑)

みよこ その後で妻沼の西倉製菓さん。

Navi 西倉さんの五家宝、昨日食べました。黒糖五家宝美味しいですよ。

みよこ お茶と一緒にね。ということで五家宝の歴史でした、本当ざっくりですけれども。

Navi あとどんなのが載ってるかというとですね、8ページ9ページをご覧いただけますか?これがもうこの『熊谷帖』ならでは!全ての五家宝の詳細なデータですね。

みよこ 瑞穂の七つ道具から、多分定規を取り出してそうですが。重さはレタースケールかなんかでね、測ったのかなっていう。

瑞穂 そうです、重さも測りました。

みよこ 各お店の五家宝の長さ、直径、重さ、1本当たりの単価、

瑞穂 あと比重ですね。比重も出しました。

みよこ 比重!(笑)

Navi  水に沈む五家宝と沈まない五家宝があるんですか。

瑞穂 比重が1を超えると沈みます。まあ五家宝だから水に浮かべてたら多分染み込んで最終的に沈むんですけど…

みよこ 1本あたりのグラムの次に書いてあるんですね。

Navi 1を超えているのは山木屋さん。1.017グラムパー立方センチメートル!沈むんですね。

瑞穂 沈みます。山木屋さんの五家宝いわゆる昔ながらの、ねっちりっていう感じで美味しい五家宝だったんですけど、残念ながらお店を閉められてしまったので今では食べられないんです。

Navi 比重が0.55だとかもマニアックすぎて

みよこ 比重は今まで気がついてませんでした!

Navi 中学生だってわからないよ、これ。比重って言われても…

瑞穂 比重。勉強してくださいね!

Navi はい次行きますよ。10ページ11ページになります。何が載っていますか?

みよこ 「五家宝を全部買って食べてみた イン星渓園」!

瑞穂 お茶会やりましたからね。

みよこ せっかくならね。

Navi これ食べ比べのお茶会っていうのはすごくないですか。

瑞穂 いやあ、やるからにはね、楽しくやらないと。

Navi これからやらないんですか。

瑞穂 これを読んだ人でやっぱりこの食べ比べに参加したいって人から結構連絡がありまして。次にやるときは呼ぶよっていう感じで、名簿は作ってます。

Navi なるほど。もしかしたらあるということですね。

瑞穂 そうなんですよ。

Navi はい次行きますよ。12ページ13ページ、どんなことが書いてありますか。

みよこ これが先ほどの食べ比べしたデータですね。

Navi はい14ページ、何かありますか。

みよこ これはどこで買おうか悩んでしまう人のためのお店診断で、チャートになってます。

瑞穂 そうですね。スタートが「お店に行きたいのは山々だけれども通販で買いたい」で「はい」「いいえ」で選んでいくと、どのお店があなたにぴったりっていうお店診断ができます。実際に鳥取の方が、この診断結果をもとに通販で五家宝を買ってましたね。

Navi すごいですね。

瑞穂 出版当時は14軒あったんですが、今ちょっと減ってはいるんですけれども、どの店で買おうって悩んだ方の手助けになればいいなっていう、お茶請けみたいなページです。

Navi 次行きましょう。はい次は何ですか。

みよこ 付録まで楽しくついてましてね。作って楽しいポチぶくろ。これ切り取り線とかありまして。これでちょっとお小遣いあげたりとか。

Navi 切って作るんですね。

瑞穂 これも模様がね、五家宝の柄なんです。

【エンドテーマ流れる】

Navi もうほらね、次行きましょう。時間になっちゃったじゃないですか。最後のページです。

みよこ これは五家宝のカラーチャートです。

瑞穂 これおすすめのページなんですよ。

みよこ きれいですよね、とっても。

Navi グラデーションですよね 完全に五家宝グラデーション!

みよこ 各お店の五家宝を、緑のうぐいすきな粉から順に、普通の黄色のきな粉の炒りの浅いから深い順ですかね、だいたいね。

瑞穂 そうですね。色を写真で撮った色をCMYKに分解しまして

みよこ CMYK?!

瑞穂 CMYKっていうのは印刷に使うインクの色なんですけど、

みよこ 爆笑

Navi もうあきれました。

瑞穂 カラーチャート作ってます。

Navi 素敵です!

瑞穂 あと色の名前も勝手に私作ってます。緑きなこだから「種仁緑」とか「堀内白茶」とか…

Navi この続きはですけど、もう本当にすいません。時間ですよ!この続きはですねウェブで見られると思うんすけど、どういうふうにすると見られますか。

瑞穂 はい。『熊谷帖』で検索していただくと、この帖っていう字は幅へんに占うですね。『熊谷帖』で検索すると私のブログがヒットしますので、そこからたどっていただくと、『熊谷帖』1冊800円で販売していて送料別でお手元に届けることができます。それ以外にも、今まだ作成中なんですが、NoteというWebサイトで順次公開していく予定となっています。

Navi はい。ということですね『熊谷帖』もそうなんですけどね、五家宝、まさに食べたくなるよね。

瑞穂 はー買って帰らなくちゃね!

Navi はい、本当に五家宝を、実際に食べてみようっていうそういう気持ちを持って熊谷探検するともっと楽しくなりますね。

瑞穂 はい。ぜひぜひ。

Navi 熊谷を楽しく

瑞穂 楽しく、やわらかく

Navi よかったです。

瑞穂 まとまりました?!

Navi もう無理くりこうやって、まとめてきな粉でこうやって

みよこ まぶして伸ばして(笑)

Navi そういうことで今日は第15回「知っていますか?五家宝図鑑 『熊谷帖』」をお届けしました。今日は盛り上がりましたね、石井姉妹のお二人でした。また来てください。

石井姉妹 はいわかりました。どうもありがとうございました。